事業紹介

事業の概況(令和4年度)

営農指導事業

地域農業を取り巻く環境は、農業従事者の高齢化や離農により、担い手経営体への農地集積が加速し管内農地の約80%が担い手経営体へ集積され、農業構造の二極化が進む中、持続可能な農業基盤の安定に向け、関係機関と一体となり「人・農地プラン」の作成支援や、農地中間管理事業による農地利用調整のサポートを行いました。

令和3年5月に策定された「みどりの食料システム戦略」においては、行政や関係機関と一体となり、農業生産における温室効果ガス排出削減に向け、長期中干しや秋耕によるメタン排出削減の普及活動を開始し、環境負荷軽減に配慮した環境保全型農業の推進を行いました。

主食用米の消費は、需要が毎年減少していることから、コメの需給と価格の安定を図るため、地域農業再生協議会と一体となり、麦・大豆・非主食用米並びに、多様な担い手による野菜・花卉等の園芸作物との組み合わせにより、米の計画生産と水田のフル活用を推進しました。

加工業務用タマネギの作付けは23haと県内最大産地となり、JA独自の栽培技術と機械化一貫体系が確立出来ましたが、規模拡大による生産性の低下と雪害等の被害により出荷量は532トンとなりました。また、調製施設の稼働を効率的に運営することで、実需者が求める多様な調製規格の要望に対応出来ました。

ブロッコリーの作付けは27haと拡大する中、早生・晩生品種の組み合わせによる長期出荷を推進し、収穫期を分散することで品質・出荷量・販売価格のリスク分散が図れ、県内最大産地となりました。

「北近江野菜」ブランドでは、出荷品目の充実を行うとともに、JAブランドの確立を図るため、近隣JAと連携し商標登録を行い、生産振興と産地PRを行いました。

花卉の生産振興は、プチマムをはじめ切り花ハボタン・リンドウの作付け面積の増加により、花卉の出荷本数は前年対比105%・181千本の出荷となりました。

希少性のある地域特産物のみょうが・山椒をはじめ、多品目野菜については、多様な担い手による生産者の拡充を行い、近隣JAと連携し直売所への出荷や生協店舗の地場野菜コーナーに向け販売力強化を行いました。

出向く営農経済渉外活動については、TAC111経営体、営農経済渉外員292経営体に対し、年間延べ6,055回の継続的な訪問活動と個別事業提案を実施しました。また、農家経営への影響を緩和するため、肥料価格高騰対策(秋肥)の申請支援を行い、対象者240名・事業費15,605千円の取組支援を行いました。

営農担当者のスキルアップに向けた人材育成については、営農知識と企画提案力の向上を図るため、10名の担当者により、一人一課題を設定した成果発表に加え、生産現場に出向いた実践型圃場実習に取組むことで営農担当者の資質向上を図りました。

利用事業

施設の機能集約については、長浜カントリーをメイン施設として位置付け、籾摺調製作業や小麦精選作業を集約することで、稼働時間や管理費の削減を図りましたが、燃油・電気料金の高騰により費用が増大していることから、カントリー運営については大変に厳しい状況となりました。

施設の保守点検整備にあたっては、専門技術職員による継続的な修繕コストの削減を図るとともに、JA間連携によるプラントメンテナンス受託業務を行いました。

米のカントリー利用については、担い手経営体のニーズに対応した施設の有効活用や、飼料用米の取組み拡大を行いましたが、離農による利用者の減少により、荷受重量は前年対比95.4%で3,289トンの実績となりました。

麦のカントリー利用については、荷受重量は収量が向上したことから、前年対比121.1%で1,813トンの実績となりました。

大豆のカントリー利用については、荷受重量は前年対比111.5%で328トンの実績となりました。

育苗については、水稲苗では施設の有効活用を図るため、JA間連携による取扱数量が大きく増加したことから、前年対比116.3%で184,615箱の実績となりました。また、園芸苗では、新たに家庭菜園向けの生産を開始し、園芸農家向けと家庭菜園向け合わせ、前年対比145.3%で5,136千本の実績となりました。

販売事業

主食用米の集荷では、生産者との事前契約の更なる徹底を図りまた、実需者の絶対的な需要を早期に確保するため複数年契約等による事前契約率を96%と高め確実に販売できるよう、事前契約買取販売方式を実践いたしました。集荷実績では前年対比103.8%で、地場集荷83,934袋、カントリー集荷48,329袋、合計132,263袋となりました。

水田活用米穀の集荷は、加工用米12,242袋、米粉用米1,050袋、輸出用米3,279袋の合計16,571袋となり、飼料用米は取組面積の増加により前年対比105.8%で672トンの実績となりました。

麦類は、農林61号では前年対比114.7%で834トン、ファイバースノウでは前年対比123.3%で640トンとなりました。また、大豆は前年対比120.4%で15,355袋となりました。

園芸品目の販売品取扱高は、ブロッコリー・白ねぎ・加工業務用野菜の取扱い増加により、買取販売56百万円・受託販売84百万円となり前年対比117.1%で1億40百万円の実績となりました。

全体の販売品取扱高は、前年対比103.9%で11億28百万円の実績となりました。

購買事業

生産資材

肥料の原材料のほとんどを海外からの輸入に頼る中で、世界情勢の影響を受け原材料価格が高騰しまた、産出国からの輸出制限により肥料原材料確保が厳しい状況ではありました。こうした中で、水稲用肥料の重点品目については価格折込みとし予約商品の安定供給を行うことが出来ました。生産資材の供給高は、前年対比121.2%で6億69百万円となりました。

生活物資

LPガス事業の更なるサービス向上を図るため、令和5年3月1日より全農関西エネルギー株式会社に事業譲渡を行いました。また、資材センターの利用状況調査を踏まえ、米原資材センターについては、令和5年3月1日より業務委託による運営体制の見直しを行いました。

経済渉外担当者による利用者ニーズに対応した提案活動では、生活商品「くらしの宅配便」の新規利用者の普及推進を行い15軒増加し85軒の利用となりまた、家庭用燃料では灯油の定期配送が17軒増加し273軒の利用となりました。

生活物資の供給高は、LPガスの事業譲渡に伴い、前年対比93.4%、4億7百万円となりました。

信用事業

信用事業を取り巻く環境は、マイナス金利政策の長期化や他業態も含めた金融機関同士の競争激化も相まって収益環境は依然厳しい状況が続いています。

こうした中、金融アドバイザーや渉外担当者によるきめ細かい渉外活動の展開により、ライフプランやニーズに合わせた金融商品やサービスを提供し、年金受給口座や各種ローンの伸長など取引のメイン化に取組みました。結果、年金口座については655件の獲得実績、貯金残高については前年対比100.5%、1,458億60百万円となりました。

貸出金においては、農業者、農業法人との接点活動強化を図り、農業関連資金で、年間27件、1億23百万円の獲得となりました。

また、管内マーケットを把握した住宅ローン専任担当者の営業推進の強化により、住宅関連資金で、年間44件、12億53百万円の獲得実績となりました。しかしながら、地方公共団体の融資残高の減少により、貸出金全体の残高は前年対比98.8%、191億38百万円の実績となりました。

有価証券の運用については、優良格付け債券を前提として、ポートフォリオの構築、リスクの軽減、安定した利息の確保ができるよう取組みました。結果、有価証券残高は前年対比105.4%、172億7百万円の実績となりました。

共済事業

少子高齢化や人口減少が続く厳しい状況の中、経営基盤の確立・強化に向け、新たに専任LA(ライフアドバイザー)制度を導入しました。組合員・利用者一人ひとりに寄り添う3Q活動で8,800人の組合員・利用者に「ひと・いえ・くるま・農業」のバランスの取れた総合保障提案を行いました。

令和3年12月発生の大規模雪害の発生に伴い、建物の保障点検を実施するとともに建物更生共済への加入活動に取組みました。また、新型コロナウイルス感染症の拡大に伴い、ひと保障の取組み強化として医療共済(メディフル)を中心にライフステージに応じた生存保障分野の推進活動を実施しました。

短期共済の主力商品である自動車共済は事故処理の迅速化・適正化に努めるとともに、安心サポーターのレベルアップを図り、契約者満足度向上に取組みました。

共済金お支払状況は、長期共済(生命)1,985件支払額6億49百万円、(建更)870件支払額4億57百万円、短期共済(自動車共済等)945件3億84百万円で、合計3,800件14億92百万円の支払いをさせていただきました。

また、利用者の利便性向上とLA等の事務負担軽減を目的にLablet‘s(タブレット端末機)を活用した契約手続及びキャッシュレス・ペーパーレス割合を増加させるなど、事務の効率化に取組みました。

生活指導事業

組合員や地域住民が安心して暮らせる魅力的で活力ある「地域づくり」に向けて、農業者・組合員組織や関係団体と連携しながら取組みました。

JAくらしの活動では、スマホ教室・料理・味噌教室等30講座に延べ170名の参加がありました。女性部のサークル活動では、新たに1グループが誕生し、個人会員12名の増員があり、ヨガ講習会等5講座に延べ81名の参加がありました。女性部の地域貢献活動では、エコキャップ回収運動・愛の米ひとにぎり運動・ユニセフ募金・ウクライナ緊急募金と鳥インフルエンザ等緊急募金を行いました。コロナ禍で中止していた助け合い組織にじの会「ふれあいサロン」は、役員研修会を多々重ね令和5年度から再始動することを決めました。

健康増進(健康診断・健康指導)活動では149名の受診と結果指導に93名の参加がありました。食農教育活動では3校の小学生を対象にしたネギの収穫体験、親子を対象に農業体験(田植え・稲刈り)に6組の家族の参加がありました。JAグループの食農教育をすすめる子ども雑誌「月刊誌ちゃぐりん」を管内の小学校と公設児童クラブ、米原市図書館・近江図書館・長浜市図書館へ寄贈し、農業や食べ物、自然のいのちの大切さを伝える取組みを行いました。

さらに、JA広報活動では広報誌「ふれあい」を毎月12,000部発行し、ホームページとインスタグラムを通じて身近な情報、緑のecoカーテンコンテスト等SDGs取組状況などの情報発信に取組みました。小学生のキャリア教育をサポートする冊子「小学生のためのお仕事ノート(米原市・長浜市版)」の企画・発行に協賛し、農業とJAの役割を紹介しました。

介護福祉事業

リハビリ支援事業を活用し、理学療法士指導のもと身体介護を必要とする訪問先へ同行を行い自立した日常生活を過ごせるよう支援を行いました。

訪問介護事業では、身体介護26百時間、身体生活介護24百時間、生活援助16百時間、介護予防6百時間の総合計72百時間の介護サービスを提供しました。